Calm Light
「未怜ちゃん!」
ぼくは思わず大声をあげた。
未怜ちゃんは、黒い大きな目を見開いて叫んだ。
「……琢磨くん!」
そう。
ぼくは未怜ちゃんと同じR大学に入学した。
といっても、もちろん単なる偶然。
決して未怜ちゃんと同じ大学に行きたかったっていうわけじゃない。
さすがにぼくもそこまで粘着じゃないし。
場所的に近いから、うちの高校からR大学に行く人は多いんだ。
未怜ちゃんとは卒業式以来だった。
せいぜいメールを一往復したくらい。
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