合鍵 番外編 ~あたしたち、まだまだ前途多難~


目つきの悪い目が、ジロっとあたしを見た。


「ちょっと寝坊しちゃってさ……

悪ィ悪ィ、そんなに怒んなよ」


「怒るに決まってるでしょ!連絡も取れないしさ」


塔也はポケットから携帯を取り出した。


「……あ、ほんとだ。電池切れてる」

「充電くらいちゃんとしなさいよっ」

「……」


塔也は眉間にしわを寄せて、ボサボサの頭をポリポリ掻いた。


「……寝坊するくらいだったら、涼音サマに起こしてもらえばよかった」


何よ、涼音サマって……


「せっかく合鍵渡してあるのに」


そりゃ持ってるけどさ……。


「ご両親がいるところに、いきなり鍵開けて入れるわけないでしょッ」




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