合鍵 番外編 ~あたしたち、まだまだ前途多難~
塔也は口の中の物を何とか飲み込むと、バツが悪そうに唇を尖らせた。
「まだそんなこと言ってんの? って言おうとした」
「……だって」
あたしも負けじと唇を尖らせる。
「わかんないもん」
ちゃんと言ってほしいよ。
「んじゃ聞くけどさ、涼音はオレのどこがいいわけ?」
「……ええと」
何がいいんだろう。
意外性かな?
何でも突きつめて考える、硬派さかな?
「……理屈を超えたところにあるから恋愛じゃないの?」
塔也は、言ってやった、みたいな顔してる。
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