合鍵 番外編 ~あたしたち、まだまだ前途多難~


「な、色気もクソもないだろ」


ニッと笑う。


「……」


男子の視点って、こうなのかな。

女の子って、すごく小さい、細かい部分で悩むけど、男の子って上の方からものごとを見てる気がする。


それとも、この人だけ?


「実はさ、ちょっと不安で……」

「何が」


塔也の片方の眉をすぅっと上がったのが、長い前髪の隙間から見えた。


「だってさ……」


あたしは、高校卒業したらどうなるかわからない不安をくどくどと塔也に話した。




この小説の表紙へ
HOME