合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
リビングを見おろすと、鬼太郎くんはソファに寝そべって何か熱心に本を読んでた。
「あの、お弁当、この部屋で食べていいんですか?」
「……」
面倒そうに上を見上げる。
「好きにしな」
それだけ言うと、また本に目を落とした。
マンガでも読んでんの?
……気楽な身分でいいよね、全く。
それにしても、あたしこの人の名前すら知らないし。
あたしは部屋に戻ると、ママが作ってくれたお弁当を食べた。
きれいに片づいた部屋だし、ゴミを落とさないように気をつけなくっちゃ。
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