合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
最初の資料に書いてあったバイトの時間は午後5時まで。
あたしはドアを開けて、手すりにもたれて広いリビングを見下ろした。
鬼太郎は相変わらず、ソファに寝っ転がって本を読んでた。
お昼に見たときとちょっぴり体勢が違うだけ。
お昼ご飯とか、食べたのかな。
もしかして、朝から何にも食べてないんじゃ……
「何?」
あたしに気づいて、にらむように目を上げる。
目つき、悪すぎるよ……。
「もう5時だから、今日はもう終わっていいですか?」
「……ああ。
もうそんな時間か……」
鬼太郎はゆっくりソファから立ち上がると、首をポキポキ言わせながら階段を上がってきた。