合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
と、思ったら。
塔也は軽く肩をすくめただけだった。
だるそうに首や肩をぽきぽき言わせると、
何も言わずに、ふらふらと洗面所へ入って、バタンとドアを閉める。
それきり出てこない。
やがて、シャワーの音が聞こえてきた。
(……なんだ)
内心ほっとしつつも。
逆に存在を無視されたみたいで、それはそれでなんだか悔しかった。
話す価値すらない相手ってみなされてるような気がして。
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