合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
「……」
塔也の眉間に深いしわが寄った。
目つきがさらに鋭くなる。
(うわ……コワ……)
目からレーザービームが出そうな勢いの塔也に。
勇気をふりしぼって、あたしはさらに畳みかけた。
「あなたにとってはただの宿題マシーンかもしれませんけど。
あたしも一応ひとりの人間なんです」
「……」
塔也の形のいい顎がゆっくりと持ち上がった。
目がすぅっと細まる。
くるぞ、反撃が………
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