合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~


思わず、首元に手の甲をあてた。


……熱い。

これ、もしかして、すごい熱なんじゃ……。



あたしは慌ててエアコンのリモコンを探した。

テーブルの下に落ちてたのを見つける。


(ちょっと、17℃はないでしょ……)


頭おかしいよ。



あたしは即エアコンを消すと、あちこちの窓を開けまくった。

風のない日だったけど、生暖かい風がほんのり入ってくる。




塔也のそばに急いで戻ると、肩を軽く叩いて声をかけた。


「ちょっと、大丈夫ですか?」

「……みず……」


うっとうしい髪の間から、苦しげな声が聞こえた。


水って……。


遭難者かアンタはっ




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