そんなの普通だって
蓮センパイの家が高校から近いのは知ってる。
もちろん行ったことはないけど。
近すぎて、ぎりぎりまでついつい家にいて、毎日遅刻してるらしい。
いくら近いっていったって、そんなにほいほい男子の部屋に行けるわけ……
(ほんとに来ちゃった……)
センパイの家は本当に近かった。
それこそ2,3分。
それなりに片づいて、適度に散らかった居心地の良さそうな部屋。
センパイはベッドに腰掛けると、隣を手で示した。
うながされるままに、あたしも横に腰掛ける。
「部活、楽しい?」
センパイはくしゃっと笑ってあたしを見た。
「あ、はい」
「ちょっとはうまくなった?」
「あ、見たらびっくりすると思いますよっ」
センパイはニッと笑う。