Calm Light


「琢磨くんこそ、すごいきれいな人と歩いてたね」


未怜ちゃんが言う。

見ちゃったぞ、とでも言いたげないたずらっぽい笑顔で。



……未怜ちゃんはちっとも寂しくないんだろうか。


「ああ」


ぼくは、単にラグビー部にスカウトされただけだって説明しかけて、何となく口をつぐんだ。


どうして何も言わなかったのか、自分でもわからないままに。




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