クロッシング
「どうして興味がないなんて思うの?」
「……」
「オレには興味ある?」
「……」
「ちょっとそこまで付き合って」
何だか急に面倒になって。
肩に軽く手を回して、当たり前のように歩き出した。
女はつられて歩き出す。
チーン。
一丁上がり。
店のそばを通るとき、窓越しに、テーブルを拭く女の子の姿が見えた。
(あの子かな)
あれから1週間ほど。
もちろんあの子から電話はない。
最近、通るたびにあの子の姿を見るような気がする。
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