合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
ぶーん。
5分ほど鳴らし続けて。
やっと自動ドアが開いて、あたしは中に飛び込んだ。
部屋のインターフォンを鳴らすと、いつもより輪をかけて不機嫌な顔がぬっと出てきた。
「……めんどくせーな」
ちょっ
めんどくせーはないでしょっ
あたし、あんたの宿題やりに来てるのに。
プンプンしながら後をついて行くと、塔也はリビングのテーブルから1つ鍵を持ち上げた。
ちゃりーんとあたしに投げてよこす。
「それ、ここの鍵。
渡しとくわ。
朝来たらそれで勝手に入って」
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