合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~


ふと気づく。


あたし、この人と、こういう状況とはいえ、一つ屋根の下にいるんだよね。

仮にも高校生の男女が一つ屋根の下にいて……

何だろう、この、まるで色気のない状態。



逆に笑えた。



 *** 



次の日の朝。

いつものようにインターフォンを押しかけて、急に思い出した。


そだ、合鍵渡されてたんだっけ。



危ない危ない。

鍵持ってるのにインターフォンでも鳴らそうもんなら、それこそすっごい不機嫌な顔を見るはめになるところだった。




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