合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~


今朝入ったときに感じた恐ろしい冷気はだいぶましになってた。

それでもまだ寒いくらいだけど。


(寝てるかな?)


薬局が案外遠くて、結構時間かかったし。

と思ったら、塔也は、どうやら寝てないみたいだった。

うつぶせのまま頭を抱えて、ときどきかすかにうなってる。


(眠れないのかな)


相当頭が痛いみたい。



「ごめん、遅くなって。

風邪薬と頭痛薬買ってきた、ちょっと待って」


あたしは適当なお鍋で少しお水を温めて、コップに入れた。


「はい、これ頭痛と風邪の薬。頑張って飲んで」

「……」


つらそうに上体を少し上げる。


「あとこれ、薬局の人に薦められたお薬。

風邪の体力消耗にいいドリンク剤だって」




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