合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
「あと本読んでたらその世界にツッコんでるからな……」
「……」
なんだ、そういうことだったのか。
一喜一憂して、激しくソンした。
そういえば、友達と麻雀してた日はフツーだった気がする。
あれは寝起きじゃなくて、しかも本も読んでなかったからなのか。
あたし、タイミングが悪かったのね。
コミュニケーションとるのにタイミングが必要ってのも、なんか腹立つけど。
「さっきさ……」
眉を寄せてるあたしに、不意に塔也が言った。
「うん」
「布団に手入れてなかった?」
「……は?」
一瞬何のことかわからなくって、あたしは目が点になった。