合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~


「って、あたしの腕湯たんぽ代わりにしてたこと?」

「……?」

「あんた自分で、あたしの腕”あったかい”とか言って布団に引っ張り込んだくせに、覚えてないっての?」

「……ああ」


塔也は片方の眉を上げた。


何その面白くなさげな顔。



「なんだ。

一緒に布団に入りたかったのかと思った」

「だだ誰がっ」


あたしは手を振り回して叫んでた。


「顔赤くなってる」

「なってない!なってない!」


塔也は頭痛がするらしい頭を押さえながらも、ニヤニヤ笑ってる。

なんであたし病人にまでからかわれてるんだぁっ




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