呪い殺して -ウォーターカラーズ 番外編-
「ああ」
わたしは微笑んだ。
人気グループのSmokey Bubblesが薫くんの絵を気に入って、次回アルバムのジャケットにぜひ使いたい。そんな話に発展していた。
「別にわざわざ見せたわけじゃないから。
SBの高橋さんが楽屋に挨拶に来られたときに、たまたまノートパソコンで薫くんの絵の写真見てただけよ」
「……わざわざファイル開いてたんでしょ?」
「……高橋さんが薫くんの絵を気に入ったのは、薫くんの実力だから。
わたしは別に何もしてない。
別に薦めたわけじゃないし」
「……」
智弘さんは、しょうがないなぁ、とでも言いたげに微笑んだ。
「君はやさしいね。
君には本当に感謝するけど……
薫をあんまり甘やかしちゃいけないよ。
あいつはもうちょっと苦労した方がいい」
「どうして?」
「うーん。どうしてと言われると悩むけど……」