小さな芽


腕がするすると巻き付いて、服越しにほんのりと温かい体温が伝わると。

あたしはいつの間にか、鷹耶の絡みつく舌に応えてた。


ゆっくりと唇を離した鷹耶は、目を細めて片方の口の端をつりあげる。

満足げに。



鷹耶の手があたしのTシャツを押し上げるのを、どこか乾いた心で見ていた。

素肌が風に触れ、あっさりと引き下げられたブラの周辺を唇が這う。


スカートの下から侵入した指が、強制的な快楽をもたらす。


「……やめてよ」


つい、いつものように惰性で抵抗する。


「――何を?」


からかうような声。


「……」

「ちゃんと言ったら、やめてあげる」

「……わかってるくせに」

「わからないから、教えて」

「……」

「声が熱っぽいよ」

「……そんなわけないでしょ」


今日もまた、ゲームが繰り返される。

いつもの、遊び。



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