(ホントに?
……それだけ?)
ステージではちょうど野球拳をやってた。
ベタだなぁ。
ホントにやるんだ、こういうの。くだらない。
ぼーっと見てると、女の子が連続して負けまくり、たちまちブラとショーツだけになっちゃった。
「……」
えええ?
「ちょっとセンパイ、あれマジなんですか?」
「あー。もちマジ」
うそ……。
なんかヤバいところに来ちゃったかも……。
(どうしよう……大丈夫なのかな)
でも、今さら帰りますなんて言えないし……。
内心恐れおののいてたあたしに、センパイは背もたれにだらっともたれたまま、のんびりと言った。
「野球拳は一般参加だし、自分でやりたくて出た女だよ、あれ」
「えーっ、ほんとに?」
自分からやる人なんているんだ。
あたしは驚いてステージに視線を戻した。
内心ビビりつつ見ていると、女の子は「最終戦」で何とか勝った。
思わずほっと胸をなでおろす。
(負けてたらどうするつもりだったんだろ)