いぢわる。

ゲームオーバー




とてもじゃないけどついていけない盛り上がりのうちに野球拳は終了して。

女の子は下着姿のまま笑顔で手を振りながら、服を入れたカゴを持って、臨時に備え付けられたカーテンの後ろに入っていった。


(なんか、大学ってすごいところ……)


こういうところなの?

大学って。

……違うか。


圧倒されて、あたしは半ば唖然としながらステージを見つめる。

何だか、現実味のない別世界に迷い込んだ気分。



「おまえも飲んどけば?」


横を見ると、いつのまに入手したのか、センパイがビールを飲んでいた。

(ちょっと! 未成年!)

真面目なあたしは苦笑しながら、ついつい内心でツッコミを入れた。

って、あたしも家ではパパのビール、飲んだりするんだけどね。


(でも……こういうノリだと、ちょっとくらい酔っといた方がいいかも……)


さっき見た下着姿の女の子が脳裏にちらついて。

ためらいつつも、ビールを受け取ってぐいっと飲んだ。


「お、結構いける? もしかして」

とたんにセンパイは嬉しそうに身を起こす。

と、突然あたしのうなじにするすると手を這わせた。


(きゃ……)


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