中にはたくさん椅子が並んでいて、すでに4組のカップルが座ってた。
一斉に視線を浴びる。
「お、凌。カノジョ? 激カワじゃん」
「女子高生? マジかよぉ」
「は、はじめまして……」
声を次々に掛けられるのへ、ぎこちなくお辞儀する。
「真面目そうな子じゃん。凌、似合わねーーー」
ゲラゲラ笑い出す人までいた。
(そうだよね。あたしもそう思う。
この人にはあたしは釣り合わない)
こっそり心の中で返事する。
あたしは平凡な女子高生だもん。
女の子はみんなきっちりお化粧してて、きれいだった。
(あたし……こんなカッコで良かったのかな?)
何だか気後れしてしまったりして。
「おい、あんまりいじめんなよ、体育会系の清純派なんだから。
こういうの慣れてねぇし」
(清純派って……)