いぢわる。

ゲームオーバー




とっておきの秘密を話すときのような調子で、司会者が続けた。


「ところで、これはただの“被害者は誰だ”ではないんです。

ここにいる5組はすべて熱愛中のカップルなんですねぇ」


(誰が……)

あたしは思わず心の中で毒づいた。


「……というわけで、今回はカップルならではの“被害者は誰だ”をお送りしますよぉっ」


ワァッ

わき上がる歓声と大きな拍手。


(カップルならではの、って何よ?)

あたしはもう、内心汗だく。


「はーい、では最初の“被害者は誰だ!”

一回戦いきますよぉ

耳に舌を入れられてるのは誰!?

彼氏は審査員から見えないように気を付けて~、はい、スタート!」


(えぇっ!! 何それ!! こういうゲームなの!?)


慌てるヒマもなく。

後ろから引き締まった腕があたしの肩に回された。


(ぎゃあ)

凌の唇が首筋を這い上がる。


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