「きゃっ、やだ、ちょっとセンパイ!」
思わず身をすくめる。
(うそでしょ……!)
客席から飛びまくる野次や口笛。
(やだ、恥ずかしい……)
横では、女の子たちの笑い声やくすぐったがる楽しそうな声が聞こえる。
(みんな平気なの?)
「安心しろ、被害者じゃねえよ」
耳元でささやく低い声がした。
(そういう問題じゃないってば!)
いや、被害者じゃない方がまだマシ……?
(もう……どうすればいいの……)
あたしは体をカチンコチンに硬くして、ただただ耐えてた。
「皆さん熱いですねぇ。
いつもの調子でガンガンやっちゃってください~。
おお、3番の彼女、ずいぶんくすぐったがってるように見えますよぉ」
司会者の茶々が入る。
(やだもう、何これ……)