凌の手が後ろから伸びて、あたしの胸をそっとまさぐり始めた。
「ちょ、ちょっと、せ、センパ……何すん……」
「毬香、おまえ結構、胸あるんだな」
耳元でささやかれる。
「だめですってば、ちょっとセンパ……」
「黙ってろよ」
「……やだ、離して」
「るせぇな」
やっと胸元から手が離れた。
(やだ、何このゲーム……)
すっかりパニクって、あたしの頭の中はもう真っ白。
(確かに、ビール飲んどいてよかったかも……)
しらふじゃこれ、とてもじゃないけど耐えられないよ。
「はーい、お熱いところすみませんが、1回戦終了!
審査員は誰が被害者かフリップに書いて。
彼氏はまた次の被害者決めるクジ引いといてね」
司会者のストップで、凌の腕が首から外された。
ああ、助かったぁ。