(ダメ、心臓バクバク言ってる……)
あたしの顔、完全にこわばってるし。
司会者は何やら早口でやかましくまくしたててた。
1回目の被害者が誰だったかとか、審査員の審査を見る余裕なんて全くなかった。
すっかり混乱状態のあたし。
(このゲーム、いつまで続くの? 次は何?)
「はい、次は2回戦行きますよぉ。
カノジョたち、立って、彼氏の方向いて」
言われるがままにおずおずと立って、凌の方を向いた。
後ろを向いたら、客席から顔が見えないだけでもずいぶんほっとする。
凌を見上げると、やっぱり人を小バカにしたような笑みを浮かべてた。
すると。
司会者の悪魔のような言葉が降ってきた。
「はい、この中でディープキスしてるのは誰だ!
ひと組だけ、舌ねっとり絡み合わせて濃厚なキスしてますよぉ。
あとのカップルは唇タッチでお願いします。
じゃあ、スタート」
(え、え、え、え、え、うそ!!!)