いぢわる。

ゲームオーバー




だって、それ以外にどうしようもないし。


「被害者じゃねぇんだけどさ……」

耳元でささやく声に、びくっとした。


(え?)


凌はブラのカップを2本の指でつまんだ。

「ちょ、ちょっと、センパイ……!」

(やだ。どうしよう)

無駄に足をじたばた動かしてもがいた。


「お願い、やめて!」

「いいだろ、ちょっとぐらい……

つーかセンパイってやめろって」

笑いを含んだ声。


ブラカップの内側にするりと入り込んだ2本の長い指が、あたしの胸の突起を挟んだ。

「や……」

手は縛られてるし、どうしようもない。


(やだもう……信じらんない)


柔らかい指の腹が、ゆっくりと胸の突起を転がし、こするのを感じた。


「やめ……て……」


ざわざわざわ……

体のどこかで何かが音を立てる。

背筋がぞくっとする、くすぐったいのか、気持ちいいのかわからない感触。


意に反して体が動きそうになるのを必死で抑える。


「やめてってば……」


自分の声が何だか誘ってるみたいに聞こえて、余計に恥ずかしい。


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