(やだ……もう)
司会者さん、早く止めて!! お願い!
心の中で必死に叫んだ。
「はい! そこまで~。
審査員、被害者は誰? さぁフリップに書いて~」
(はぁぁぁ…)
思わず大きなため息が漏れる。
あたしが被害者だと書いた審査員もいた。
(そりゃそうだ、あたし実際被害者だもん!)
センパイのバカ!!
思わず心の中でののしる。
と同時に、さっきの感触がよみがえって、何となくぞくっとした。
「また被害者のくじ引きを、2回分してください」
ちらっと目を上げて見ると、彼氏グループがまたくじ引きをしている。
(まだあるの……? しかも、2回分?)
次は何かとおびえていたら。
またスタッフが周ってきて、今度は大きなシーツのようなものを、美容院でつけるケープみたいに首から巻かれてしまった。
手は縛られたまま。そろそろ手首が痛い。