(センパイ……あたしがイッたこと、わかったんだ)
顔から火が出るほど恥ずかしい。
この際、他の誰が見ていようが、もうどうでもよかった。
どうせ知らない人ばかりだから。
凌に顔を見られてなかっただけが、不幸中の幸いかも……
「気持ちよかったろ?」
ケープの中から、低いくぐもった声がした。
「……」
かぁ。
首筋まで赤くなる。
「はーい、そろそろ時間もおしてますんで、おしまい!」
(遅すぎるってば!)
やっと司会者のストップが入って、ケープから男の子たちが出てきた。
凌が一瞬だけちらっとあたしを見た。
ニヤッと笑って。
(………!)
恥ずかしさのあまり下を向く。
二度とこの人の顔、まともに見れないよ。
もう……やだ。
我に返れば返るほど、死ぬほど恥ずかしい。
あたしったら、何でこんなところ来ちゃったんだろ。
ていうか、どうして最初、やばいと思った時点で帰らなかったんだろ。