気持ちが悶々とするなか。
ふと気付くと、司会者が被害者の発表をしてた。
(――え?)
驚いたことに、大人のおもちゃ攻めも、その後も……
(あたし、被害者じゃない!!)
あたし以外に、被害者はちゃんといた。
うそ……
どういうこと?
(せ、センパイ……?)
あたしは混乱した。
(どうして、被害者でもないのに、あんなことを?)
凌は、片方の眉を上げて、「何か用?」とでも言いたげな顔をして、髪をかきあげながらニヤニヤしてる。
その姿すら、恥ずかしくてまともに見れない。
(どうして?)
人知れず葛藤するあたしのところにスタッフがやってきて、手の戒めを解いてくれた。
無意識にケープを外して立ち上がる。
「“被害者は誰だ”ゲームもおしまいです。
皆さんお付き合いありがとう!
参加者の皆さんも、こんなめちゃくちゃなゲームに参加お疲れさまでした」
司会者が客席とあたしたちに軽く頭を下げた。
(ほんと、めちゃくちゃよ!)