(はぁ……)
やっと終わった……
「最後におまけの、被害者は誰?!」
……え?
(まだ何かあるの?)
ぎくっとするあたしに、司会者から告げられたのは……
「何と、ですね!
この中に、本物のカップルじゃないペアがひと組混じってます。
今までどんなことやってたかを、よぉく思い出してください!
キスしたり、あんなことしたりこんなことしたりしてましたよねぇ。
ある種最大の被害者!
それは……」
司会者の男は、あたしをまっすぐ指差した。
「4番の彼女!
彼氏じゃない男とよく頑張ってくれました。拍手ぅ!」
客席の視線が一斉にあたしに注がれた。
(え……?)
司会者の言っていることを理解するまでしばらく時間がかかった。
(本当のカップルじゃないペア、て言った?――今)
あたしは、文字通り、開いた口が塞がらなかった。
(最初から、仕組まれていたことだったの?)