いぢわる。

Hギライ


……ひどいよ。

友達といつも、あんなこと話してるの?

……あんなこと吹聴して回ってるの?

ひどいヤツ。


颯太のバカ。

もう、颯太なんかキライ!


あたしは悔しさと不信感とでいっぱいになって、思わずカバンをひっつかんで部室のドアめがけて駈けだした。



――あんなこと言われるのは当たり前かもしれない。

あたし、Hはニガテ。


……むしろキライ。


男が自分の欲望を満たすため、せっせと頑張ってる間、

あたしはただただ耐えるだけ。


でも、付き合ってる限り、しょうがない。


……Hってそんなもんでしょ。





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